ノーベル平和賞の理念と対立?:マチャド氏、ベネズエラ侵攻支持で論争
国際
ノルウェー平和評議会は、今年のノーベル平和賞授賞式当日にオスロ中心部で例年行われるたいまつ行列を開催しないと発表した。理由として、受賞者に決まったベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏の政治姿勢に対する明確な異議表明を挙げている。
- マチャド氏は、トランプ大統領がベネズエラ政権に対して強めてきた軍事的・海軍的圧力を支持しており、「正しい行動」であると述べている。
- マチャド氏は「(麻薬密輸船に対する)米国の作戦は、犯罪構造の資金源、つまり麻薬・金・武器・人身売買を断つ唯一の方法だ(“La única forma de desmantelar una estructura criminal es cortar sus entradas de dinero criminal …”)」とも語っており、軍・海軍圧力を明確に支持している。
- こうした立場から、一部では「極右」「米国依存的」としても批判を受けている。
マチャド氏が軍事的・米国主導の圧力強化を歓迎する姿勢を公言していることは、平和賞の理念と相反すると捉えられた可能性がある。ノルウェー平和評議会の決定は、ノーベル平和賞をめぐる理念と現実の政治的立場との間に存在する緊張を浮き彫りにしており、平和賞の意義や評価基準について改めて議論を呼び起こすものとなっている。
トランプ大統領(ホワイトハウス)とマリア・コリーナ・マチャド氏(同氏インスタグラム)