米ロ、ウクライナへの安全保障で一致-18日会談には欧州首脳も参加
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- NATO第5条に類似した確約は可能との見解-ウィトコフ特使
- EU委員長やNATO事務総長、英独仏首脳がそろって参加
米国のウィトコフ中東担当特使によると、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は15日にアラスカで開かれた首脳会談で、米国がウクライナに安全保障を提供できるとの考えで一致した。
会談に同席したウィトコフ氏は17日、CNNの番組で「米国や他国が北大西洋条約機構(NATO)の第5条に類似した確約をウクライナに事実上提供し得るとの見解で、われわれは一致した」と述べた。第5条は加盟国のいずれかが攻撃を受けた場合、全加盟国への攻撃と見なすという規定。
ただしトランプ、プーチン両氏はウクライナ長年の目標であるNATO加盟を認めるには至らなかったという。「プーチン氏はNATO加盟こそが越えてはならない一線だと言っている」とウィトコフ氏は語った。
ワシントンに結集
ワシントンで18日行われるウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談に、欧州の首脳らが参加する。ロシアへの領土割譲を含む早期和平合意に応じるよう米国からの圧力が強まる中、ゼレンスキー氏への支持を示す狙いがある。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長とNATOのルッテ事務総長、フィンランドのストゥブ大統領、ドイツのメルツ首相、スターマー英首相、フランスのマクロン大統領がそれぞれ参加を確認した。イタリアのメローニ首相も会談に加わると、スカイは報じた。
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欧州各国はウクライナに強固な安全保障を提供することに重点を移しつつある。17日午後にはいわゆる有志連合諸国によるビデオ会議でウクライナへの安全保障について協議する予定だ。
停戦の可能性
ルビオ米国務長官は17日、米国はロシアとウクライナの和平を仲介する一環として、停戦の可能性を排除していないと述べた。一方でプーチン大統領に合意を受け入れさせるために追加制裁を講じる可能性は低いとの認識も示した。
ルビオ長官は完全な和平合意が「現時点で戦争を終わらせる最善の策であり、そこに至る過程として停戦が必要かどうかは別だ」と述べた。「われわれはそれを提唱してきた。しかし残念なことにロシアは現時点でそれに同意していない」と長官は述べた。
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トランプ氏は15日、アラスカでのプーチン氏との会談後、ゼレンスキー氏に早期のディールをまとめるよう促す考えを示した。また、ウクライナ東部の広大な領土割譲を求めるプーチン氏の要求を受け入れる姿勢も示唆した。一方、欧州当局者は和平合意が迅速にまとまる可能性に懐疑的で、プーチン氏自身が本当に合意を望んでいるのかについても疑問視している。
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フォンデアライエン氏は、17日午後にブリュッセルでゼレンスキー氏と会談するとX(旧ツイッター)に投稿。18日にはホワイトハウスでのゼレンスキー、トランプ両氏の会談に他の欧州首脳らと参加すると述べた。
This afternoon, I will welcome @ZelenskyyUa in Brussels.Together, we will participate in the Coalition of Willing VTC.
At the request of President Zelenskyy, I will join the meeting with President Trump and other European leaders in the White House tomorrow.