500㌔遠征、顧問1人で運転 遊学館高バス事故 東京まで計画

 ●運行指針見直し中 経費限られ常態化

 26日に長野県中野市の上信越自動車道で遊学館高のマイクロバスがガードロープに衝突した事故は、駅伝部の遠征で、男性顧問(34)が片道約500キロを1人で運転する計画だったことが28日分かった。同校はバス遠征の運行指針の見直しを進めていたが、経費が限られる中、駅伝部は顧問1人のみの運転が常態化していた。他校では運転手を複数人配置するなどの対応を進めており、今後もバス遠征の安全対策の見直しが求められそうだ。

 遊学館高によると、マイクロバスは駅伝部の男子部員9人を乗せ、26日午前5時ごろに顧問の運転で学校を出発。生徒は27日に横浜市で開催の記録会にエントリーしており、前日練習のため都内に向かった。

  ●雨でスリップ

 距離は片道約500キロ。7時間半かけて到着する予定だったが、金沢から約240キロ地点で事故は起き、部員1人が左まぶたを切る軽傷を負った。顧問は「雨が降っていて、スリップしてガードロープに衝突した」と学校に説明しているという。顧問と嶋田司校長は部員の家族に謝罪した。生徒は記録会を欠場することとなった。

 同校では強豪の野球部やバトントワリング部など遠征が多い部は外部の運転手に依頼するケースがある。ただ経費に限りがあり、全て外部委託するのは難しく、駅伝部はいつも顧問が運転をしていたという。

 嶋田校長によると、5月に福島県郡山市の磐越自動車道で、新潟市の北越高の生徒ら21人が乗るマイクロバスがガードレールに衝突し、生徒1人が死亡した事故を受け、遠征時の運行体制の見直しを進めていた。

 移動距離は運転手1人につき1日最大400キロまでを目安としていた。ただ、今回は進路につながる重要な記録会で、出場を希望する生徒や顧問の意思を尊重し、運行計画を了承した。

 嶋田校長は公共交通の利用や運転手を2人以上にして遠征に向かうなど対策を進めるとし、「安全管理を徹底するため、厳密に規定を見直す」と話した。

 ほかの私立高も遠征に使うバスやワゴン車を保有し、運行指針を定めている。

 星稜は基本的に専属のドライバーや顧問が運転し、走行距離が1日300キロを超える場合は複数人で担当する。鵬学園は専門の運転手がハンドルを握り、顧問も必ず同乗する。運転手の割り当てやバスの手配は専門の運行管理者が行う。

 石川県は北越高の事故を受け、5月に県内の私立学校13校に部活動で児童生徒を引率する際に安全確保を徹底するよう通知。引率時の移動について聞き取った結果、全校が原則として教職員か法人雇用の運転手、学校委託の運転手のいずれかが運転しているとした。

 通知を受け、北陸学院は4大安全運行指針を策定した。拘束時間、走行距離、連続運転時間、保険加入に分けて指針を整備。拘束時間では出発から帰るまで10時間以内とし、宿泊する際は公共交通機関やバス業者に依頼することとした。

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