敦賀乗り換え「めちゃくちゃ不便」 北陸新幹線福井県内開業1年 福井―名古屋間2回乗り換えも 高速バス利用増
「めちゃくちゃ不便になった」。大阪に単身赴任中のあわら市の会社員男性(48)は漏らす。毎週のように行き来しているが「時間によってはエスカレーターも階段もすごく混み合う。乗り換えはストレス」。北陸新幹線福井県内開業前からささやかれていた「敦賀駅乗り換え問題」は、1年たった今も利用者の負担感につながっている。
関西・中京方面と県内を結ぶ特急「サンダーバード」「しらさぎ」はともに敦賀駅発着となり、乗り換えが必要になった。3階の新幹線と1階の在来線特急のホームを移動する「上下乗り換え式」。接続時間は8~18分で、2階コンコースやエスカレーター、階段、売店が混雑する一因にもなっている。
開業直前、JR西日本は2階コンコースに「サンダーバード」「しらさぎ」のホームにつながる誘導線を設けた。青とオレンジ色の帯で分かりやすくし、訪日客を含めた利用者の増加が見込まれた夏前には英語表記を追加。改札付近に便名や時間を案内するデジタルサイネージも設置し、ホームを間違えないよう視覚に訴えている。
特急と新幹線が近い時間帯に到着し、混雑が予想されるタイミングでは構内放送と併せて、駅係員が誘導も行っている。
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福井―名古屋間は、敦賀駅と米原駅(滋賀県)で2回乗り換えが必要なケースも発生している。
鯖江市出身で名古屋市在住の会社員女性(24)は「今まで特急1本で行けたのに、乗り換えが2回必要になったのは面倒くさい。交通費も2千円くらい上がった」とぼやく。「乗り換えと交通費の悩みを全て解決してくれる」高速バスの利用頻度が高くなったという。
福井県内発着の高速バス名古屋線を共同運行する名鉄バス(名古屋市)によると、年間利用者数は2023年の9万3千人から24年には1.5倍の14万人に増えた。需要増を見込んで23年12月に往復2便を増便しており「見込み通り。鉄道に比べて時間はかかるが乗り換えなしが増加の要因だろう」と担当者は話す。
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特急とハピラインふくいの乗り換えも負担感がある。双方のホームがある二つの敦賀駅は、「動く歩道」はあるものの、60メートルの連絡通路を移動する必要がある。
昨年夏、県内の友人や親戚に会うために来福した兵庫県の会社員女性(33)は「エスカレーターも3回あり、乗り換えが遠く感じた。迷いそうにもなった」と振り返る。遊び疲れ、お土産を詰め込んだ大きな荷物を抱えての“敦賀駅大移動”に「次はバスを使うかも」と話した。雪でハピラインの敦賀駅到着が10分遅れ「接続時間が10分だったしらさぎが目の前で出発した」(名古屋市の40代男性)というケースもあった。
JR西はダイヤが乱れた際、発車時刻の変更を駅係員らで一斉共有する社内アプリを導入し、乗客への案内をスムーズに行う取り組みを始めている。金沢支社の担当者は「快適に利用してもらえるよう努めたい」としている。
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