中国で恋愛シミュレーションゲーム人気-物議醸す新作、世論は二分
- 「情感反詐模擬器」は実写映像を用いたインタラクティブゲーム
- 男性主人公が複数の女性を相手に恋愛を繰り広げるゲームが人気
結婚率の急落に見舞われている中国で、最近発売されたビデオゲームが性別に関する繊細な問題を巡る議論を再燃させている。
実写映像を用いたインタラクティブゲーム「情感反詐模擬器(Revenge on Gold Diggers)」は約1週間前の発売以来、パソコンゲーム販売プラットフォーム「Steam(スチーム)」の中国におけるベストセラーランキングでトップ10入り。「黒神話:悟空」や「バルダーズ・ゲート3」といった人気作を抜いた。
ほぼ無名のインディー系スタジオが開発したこのゲームは、プレーヤーが男性主人公となり、5人の女性と関わるマルチエンディング形式のアドベンチャーだ。
登場する女性キャラクターは、ライブ配信者やカフェのバリスタなどさまざまで、いずれも男性を金銭目的で利用するという設定だ。ゲームの中では、女性が「彼は犬より言うことを聞く」と発言する場面もある。
こうしたストーリー展開は中国のソーシャルメディア上で物議を醸しており、性差別的な妄想だとの非難も相次いでいる。開発元は批判を受け、ゲームの内容はそのままにタイトルを「撈女遊戯」から変更した。
世論は二分している。北京青年報は「若者が恋愛関係における安全意識を創造的に高める助けとなる」と同ゲームを擁護する論評を掲載し、他の政府系メディアもこれに追随している。中国では過去10年の大半にわたり婚姻件数が減少し、昨年は過去最低を記録した。
中国の多くのインディー系ゲームスタジオが、2024年に予想外のヒットとなった「完蛋!我被美女包囲了!(Love Is All Around)」に倣う形で、Steamの恋愛シミュレーションジャンルでの成功を目指している。
実写映像を用いたこれらのゲームは、男性主人公が複数の女性を相手に恋愛を繰り広げ、プレーヤーの選択によって異なる結末が用意されているのが特徴だ。
原題:China’s ‘Revenge on Gold Diggers’ Video Game Fuels Sexism Debate(抜粋)