米国株式市場=ほぼ横ばい、FRBの利下げ期待が支え アマゾンは安い

米ニューヨーク証券取引所(NYSE)前で7月撮影。REUTERS/Jeenah Moon

[4日 ロイター] - 米国株式市場はほぼ横ばいで取引を終えた。投資家が労働市場などの経済指標を評価する中、米連邦準備理事会(FRB)が来週利下げを実施するとの期待に支えられた。

政府機関閉鎖の長期化により、11月の雇用統計は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に予定されており、市場参加者は労働市場についてまちまちの内容を示す二次指標に注目している。

労働省が4日発表した11月29日までの1週間の新規失業保険申請件数は2万7000件減少し、3年超ぶりの低水準となった。ただ、アナリストは感謝祭の休暇が一因の可能性を指摘している。
一方、シカゴ連銀は4日、11月の米失業率が約4.4%で横ばいだったと推定した。

CMEのフェドウオッチツールによると、市場が織り込む今月の25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は87%と、1カ月前の68.6%から上昇している。

ホライゾン・インベストメンツのリサーチ&クオンツ戦略責任者、マイク・ディクソン氏は「パウエル(FRB議長)の前回の発言がややタカ派的だったため、FRBがこれまでに発表されたデータについてどう考えるか、誰もが見守っている。だが、利下げは十分に予想されている」と指摘。

「要するに最も重要なのは雇用統計で、最新の数字がまだ出ていない。これが金融政策の行方を左右するだろう」と語った。

ダウ工業株30種(.DJI), opens new tab構成銘柄の顧客管理ソフト大手セールスフォース(CRM.N), opens new tabは3.7%上昇。同社は力強い法人需要により、人工知能(AI)エージェント・プラットフォーム「エージェントフォース」事業が伸びると見込んでおり、2026年度の収益見通しを上方修正した。
メタ・プラットフォームズ(META.O), opens new tabは3.4%上昇し、S&P総合500種(.SPX), opens new tabを支えた。同社がインターネット上の仮想空間内で経済活動などを行うメタバース事業の予算を最大30%削減する見通しだというブルームバーグの報道が材料視された。
一方、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabは1.4%下落し、S&Pの上値を抑えた。アマゾンは米郵政公社(USPS)と将来の関係について協議中で、来年の契約満了を前に選択肢を検討していると明らかにした。
年間売上高見通しが予想を下回った小売り大手クローガー(KR.N), opens new tabは4.6%下落し、S&P主要消費財セクター(.SPLRCS), opens new tabを圧迫した。
一方、ディスカウント小売大手ダラー・ゼネラル(DG.N), opens new tabは年間利益予想を上方修正し、株価は14%急伸した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.06対1の比率で上回った。ナスダックでも1.39対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は151億3000万株。直近20営業日の平均は179億8000万株。

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