フランス首相、信任投票控え議員と直接協議へ-強まる退陣圧力

William Horobin

  • 信任投票は9月8日、主要野党3党は首相退陣への支持を示唆
  • 新たな選挙には否定的な首相、安定がもたらされるとは思えない

来月8日に信任投票を行うと表明したフランスのバイル首相は、来週議員らと直接協議に臨む意向で、新たな選挙実施には警戒感を示した。議会ではバイル氏への辞任圧力が高まっている。

  フランス議会では過半数議席を握る政党がなく、野党が首相退陣に向けて結束するなか、国は事実上の政府不在に陥る恐れがある。バイル氏が「壊滅的」とみる債務負担への明確な対応も見通せない状況になる。

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  バイル氏は27日夜、TF1のインタビューで、「残り12日間で、政府打倒を宣言した政党は、発言が早過ぎた、行き過ぎだったと気づくだろう」と述べた。

  バルニエ前首相も昨年12月に同じような状況で退陣に追い込まれた。マクロン大統領が昨年6月に解散・総選挙を呼び掛けてから議会は分断されたままだ。

  バイル氏はまた、極左と極右の要求は正反対だとして、新たな選挙実施には警戒感を示した。同氏が退陣に追い込まれた場合、マクロン大統領は新首相を選ぶか、もしくは議会を解散して選挙を実施することも可能だ。

  バイル氏は「新たな解散が安定をもたらし、国と政府に前進する意志を与えるだろうか。私はそうは思わない」と語った。

  9月8日の信任投票で野党に退陣を迫らせないため、バイル氏は争点を「歳出削減の必要性への賛否」に限定するが、議員らはこの枠組みが自らを首相の予算案に縛るものだと反発している。

  フランス国民議会(下院)の主要野党3党である極右・国民連合(RN)と急進左派政党「不屈のフランス」、中道左派の社会党はいずれもバイル氏退陣への支持を示唆している。

原題:France’s Bayrou Urges Talks, Warns Against Snap Elections (2)

(抜粋)

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