iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?

「iPhone 17」シリーズがアップルストアに並んでから1日も経たないうちに、苦情が相次いだ。 【動画】【画像】背面がすぐに傷だらけに...iPhone 17の「スクラッチゲート」を示す証拠 上海からニューヨークまで、発売日に店頭に並んだ展示機、特にディープブルーの「Pro」モデルやブラックの「Air」モデルが、開封から数時間で早くも傷だらけになっていることに、購入者たちは驚いた。 この問題はSNS上で「スクラッチゲート(Scratchgate)」と呼ばれ、瞬く間に広まった。ユーザーたちは傷ついたデバイスの写真を投稿し、Appleが1年前に「未来の素材」として採用したチタニウムを早々に見限り、より柔らかいアルミニウム素材に戻したことを強く批判した。 素材変更の背景をめぐっては、すぐにさまざまな憶測が飛び交った。一部ではトランプ米大統領による対中関税の影響を指摘する声が上がる一方、Appleがコストを優先し、耐久性を犠牲にしたのではないかとの見方もあった。 この件について米CNBCの取材を受けたAppleのティム・クックCEOは、「価格に関しては関税の影響はまったくない」と明言している。 クックは「スクラッチゲート」について直接言及していないが、本誌の取材に応じたアナリストたちは、ハイエンドモデルにおけるチタンからアルミニウムへの素材変更の理由は、関税だけではないと指摘している。

IDCやカウンターポイント・リサーチといった調査会社のサプライチェーン専門家によれば、この決定の背景にはエンジニアリング上の要件、コスト管理、そして貿易リスクの軽減といった複数の要因があるという。 IDCヨーロッパでデバイスおよびデータ分析部門を統括するフランシスコ・ヘロニモ氏は本誌の取材に対し、「Appleはチタン製モデルを通じて、チタンが熱の管理に適さないことに気づいた」と語った。 「現行モデルでは、より高性能なチップや『Apple Intelligence』の搭載により、端末上での処理が格段に増え、そのぶん発熱量も増えている。しかし、チタンはその熱をうまく逃がせない」 Appleはかつて、チタンの耐久性を大きくアピールしていたが、「iPhone 16」のユーザーからは本体の過熱を訴える声が多く上がっていた。端末内でAI処理が増え、処理負荷が高まるなかで、より実用的な解決策としてアルミニウム素材を選択したのだ。 アルミニウムは傷つきやすいものの、ベイパーチャンバー冷却システムと新設計のユニボディ構造と組み合わせることで、放熱性に優れる現実的な選択肢となった。

ニューズウィーク日本版
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