マスク氏、オープンAI買収計画の資金調達でザッカーバーグ氏に接触
- オープンAI、裁判所に提出した資料にマスク氏に関して記載
イーロン・マスク氏がオープンAIの買収を今年試みた際、米メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の協力を得ようとしていたことが裁判所への提出書類で分かった。
対話型人工知能(AI)「ChatGPT」を手がけるオープンAIの法廷資料によれば、マスク氏は買収資金の調達について連絡を取った人物の1人としてのザッカーバーグ氏を挙げていた。同氏とメタはいずれも意向表明書(LOI)には署名せず、買収提案に参加しなかったという。
オープンAIの取締役会は2月、マスク氏による974億ドル(約14兆5000億円)規模の買収提案を正式に拒否している。
マスク氏と代理人は問い合わせに応じていない。メタは回答を控えている。オープンAIは裁判所に提出した書類に含まれる内容以上のコメントをしていない。
マスク氏は10年前にサム・アルトマン氏と共にオープンAIを設立。しかしその後、競合企業となる生成AI開発会社xAIを立ち上げた。アルトマン氏はオープンAIのCEO。
自社をより一般的な営利企業に再編しようと試みるオープンAIについて、マスク氏は設立当初の理念から逸脱しているとして2件の訴えを提起。再編を差し止めるよう裁判所に求めている。
しかし、マスク氏がオープンAIのライバルであるメタに水面下で協力を求めていたことは、マイクロソフトとの提携がオープンAIの非営利的な理念に反するという同氏の主張を損ねる可能性がある。
オープンAIは裁判所への提出資料で、マスク氏と交わした全てのやり取りに関する資料の提出をメタに命じるよう判事に要請。メタ側は、「メタはマスク氏の買収提案に加わっておらず、自社の文書にマスク氏との『協調』の証拠やメタによるオープンAI買収の試み、あるいは他の関連情報は一切含まれていない」としてオープンAIの求めを退けるよう裁判所に申し入れた。
原題:Musk Tried to Enlist Zuckerberg to Help Finance Bid for OpenAI(抜粋)