突如起きる「Chromeが勝手に閉じる」問題の原因はWindowsのペアレンタルコントロールアプリ「Microsoft Family Safety」だったことが明らかに

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MicrosoftはWindowsやXbox向けに独自のペアレンタルコントロールアプリの「Microsoft Family Safety」をリリースしています。このMicrosoft Family Safetyが、WindowsでChromeの起動をブロックしていることが明らかになりました。

Microsoft is blocking Google Chrome through its family safety feature | The Verge

https://www.theverge.com/news/690179/microsoft-block-google-chrome-family-safety-feature

子どもの保護者や教育機関などの間で利用されているペアレンタルコントロール兼フィルターアプリがMicrosoft Family Safetyです。このMicrosoft Family Safetyが、Windows上でGoogleのウェブブラウザであるChromeの起動をランダムにブロックしていることが明らかになっています。

問題が明らかになったのは、2025年6月3日にChrome公式サポートに投稿された「Chromeが勝手に閉じてしまう」という報告から。投稿者は「Chromeを起動しても勝手に閉じてしまい、どうしていいかわかりません。助けてください」と投稿していたのですが、6月18日になってGoogleのコミュニティマネージャーであるエレンさんが「Googleはこの報告を調査し、動作の原因を特定しました。一部ユーザーにおいて、Microsoft Family Safetyが有効になっているとChromeが動作しない問題が発生しています。公式の公開トラッキングバグで共有されているように、Windowsデバイスを使用している場合、保護者は設定を調整することでChromeのブロックを解除できます」と投稿し、Microsoft Family SafetyがChromeをブロックしていることを突き止めたと報告しています。

chrome closing on it's own - Google Chrome コミュニティ

https://support.google.com/chrome/thread/348515764

FirefoxやOperaなどの他のブラウザは影響を受けていません。ChromeのEXEファイルである「Chrome.exe」の名称を「Chrome1.exe」に変更すると、この問題を回避できることに気づいたユーザーもいます。 Microsoft 365サブスクリプションの一部としてMicrosoft Family Safetyを有効にしている教育機関や保護者は、Microsoft Family Safetyの「不適切なウェブサイトをフィルターする」設定を無効にすることで、Chromeのブロックを解除することができますが、この場合、子どもはあらゆるウェブサイトにアクセスできるようになってしまうため注意が必要です。

この問題が最初に報告されてから2週間以上が経過していますが、記事作成時点で問題は修正されておらず、Microsoftがいつ問題に対応するかは不明です。テクノロジーメディアのThe Vergeは、2025年6月第3週の頭に同問題についてMicrosoftにコメントを求めていますが、記事作成時点では返答は得られていません。

ChromeのコードベースとなっているChromiumのバグ追跡スレッドでは、6月10日に「Microsoftから修正プログラムが公開されるという連絡は受けていません」「問い合わせてきたユーザーに対しては、Chromeを再び動作させるための方法を提供していますが、大きな効果は期待できないでしょう」という開発者のコメントが投稿されています。

[User Feedback - Stable] M137 Windows - Increase in feedback about crashing [422222571] - Chromium

https://issues.chromium.org/issues/422222571

The Vergeは「MicrosoftはWindowsでChromeの使用を邪魔するために奇妙なことをする癖があります。今回のMicrosoft Family Safetyの問題はおそらく無害なバグですが、Microsoftは偽のAIによる回答マルウェアのようなポップアップ、さらにはGoogle Chromeのダウンロードページに挿入されたアンケートなどを用いて、ユーザーをEdgeに誘導しようとしてきました。2025年初めには、Bingを使ってユーザーをGoogleブラウザだと思わせる行為さえありました」と指摘しています。

Bing検索で「Google」と検索するとGoogleっぽいBingが表示される - GIGAZINE

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