ダーク2人プレイ専用ゲーム『違う星のぼくら』開発者、“前作よりも低評価”に「自分の暗黒面を出しすぎた」と反省。でもそれはそれで納得
講談社ゲームクリエイターズラボとところにょり氏による、Steam目的秘匿型ゲーム『違う星のぼくら』。同作は現在Steamサマーセールにて、20%オフの568円で購入可能だ。
同作は、大ヒットした『違う冬のぼくら』に続く新作として今年4月にリリースされた。しかしながら、前作は高評価率91%であることに対し、『違う星のぼくら』の高評価率は75%。発売よりは持ち直してきたが「やや好評」で前作には及ばない数字である。
開発者のところにょり氏としては少しさみしい気持ち……かと思いきや、同氏は「納得の評価」と受け止めているようだ。以下、後日公開予定のインタビューから引用する:
――ユーザーの反応は、このインタビューの時点でSteamストアページのレビューでは「やや好評」、すべてのレビューで高評価率が75%ですが、ところにょりさんはどう予想どおりで、どう予想外でしたか。
ところにょり氏:前作『違う冬のぼくら』は、高評価率が91%でかなり好評をいただきました。ただ『違う星のぼくら』は自分が作っている感覚としても、これはすべての人が受け入れてくれる物語ではないだろうと。すべての人が諸手を上げて喜んでくれる内容ではないだろうと思っていたので、どう見繕っても下がると思っていたんですよ。かつ開発中はSteamの高評価率が高ければ良い、というものでもないだろうという考えも同時にあって。
――高ければ良いというわけではない。面白い意見ですね。高評価率が高ければ高いほど、Steamのアルゴリズム的に露出も増えてセールスが伸びるという考えもありますが……。
ところにょり氏:もちろんセールスの面で言えばそうなんですけど、「すべての人が面白かったと思ってくれるゲームを作りたい」のか、それとも「少ない人でもものすごく刺さる、しかもその人のその後の人生すべてを支配してしまうようなゲームを作りたいのか」を考えたとき、僕がこれまで、『違う冬のぼくら』『違う星のぼくら』以前に個人で作ってきたゲームは、後者だったんです。少ない人に刺さる部分をかなり研ぎ澄ませて作ってきたわけです。『違う星のぼくら』はどちらかというとかつての自分がちょっと出てきてしまった部分が大いにありまして。
――かつての自分。ちょっと暗い作風ですね。
ところにょり氏:そうですね。そういう観点から考えて、どう見繕っても下がるだろうと思っていました。ただ、僕の感覚としては「非常に好評」の範囲内に収まってくれるかなと思っていたんですけど……、いやぁ、そんなことはなかったですね。
ただ、50~60%とか、そこまで下がることはないだろうと思っていて、実際に75%前後で落ち着いていて、そういう意味では予想の範囲内という感じです。
ちなみに、好評率が下がった原因としてストーリーの暗さを挙げている。
ところにょり氏:やはり万人受けするストーリーではないので、それを受け入れられない人が結構な割合でいらっしゃったことですね。もし本作だけだったら、ゲームとしては楽しめたし、ストーリーが自分に多少あわなくても「まあ高評価」くらいの感じだったと思うんです。ただ、前作『違う冬のぼくら』があって、前作の気持ちの良かった思い出を引っ提げて『違う星のぼくら』に向かった人たちが、「こんな思いをさせられるのか」「期待していたものと違った」と感じたという理由もあったのではないかと思います。『違う冬のぼくら』と比較して、前回はすごくまぶしかったのに、今回『違う星のぼくら』でこんなに暗いものをぶつけられてどうしたらいいんだと。そう感じたプレイヤーにとって、前作と比べて『違う星のぼくら』は作品としては低い。それゆえに低評価だ、という判断をしている人は多かったと思います。