欧州、日本と防衛・貿易協力巡り署名へ－中国との進展期待は乏しい

欧州の首脳らは今週、日本および中国の首脳と相次いで会談する。日本とは防衛・貿易協力強化への期待が高い一方、中国との協議には期待がほとんど寄せられていない。

　　欧州連合（ＥＵ）のフォンデアライエン欧州委員長とコスタ大統領（欧州理事会の常任議長）が今週、アジアを訪問する。23日に東京都内で石破茂首相と会談するほか、24日には北京で中国の習近平国家主席および李強首相と会談する。

　　欧州当局者が会談前に匿名を条件に記者団に語ったところによると、日本では防衛産業協力や経済安全保障に関する協定に署名する予定だ。一方、中国との首脳会談では共同声明が発表される見込みはないとした。

　　今回の日本訪問では、「インド太平洋地域における最も緊密な戦略的パートナー」と位置付ける日本との関係強化に向けた取り組みが発表される。欧州当局者によれば、防衛・安全保障、産業政策、外国勢力による干渉と情報操作、企業の競争力、ＥＵと環太平洋連携協定（ＣＰＴＰＰ）加盟12カ国との協力が議題に含まれる。

　　また当局者の１人によると、台湾を自国領と主張する中国を念頭に、台湾海峡での現状を武力や威圧によって変更しようとするいかなる試みに対しても、ＥＵと日本が共同で反対する姿勢を表明する見通しだ。

　　一方、当局者の１人の話では、欧州代表団は中国との首脳会談で大きな成果を得ることは見込んでおらず、実質的でオープンかつ建設的な対話になることを目指している。さらに欧州側は中国に対し、持続不可能な経済関係の是正などに向け中国に何を求めるかを明確にする方針だという。

原題：EU Expects Little From China Summit in Contrast With Japan Hope（抜粋）